PCB廃棄物とは何?保管する事業者に課せられる規制や現在のルール

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さまざまなごみ問題が言われているのですが、PCBを知っていますか?PCBとは人工的に作られた、主に油状の化学物質です。熱で分解しにくい、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油や加熱、冷却用の熱媒体など、さまざまな用途で利用されていました。

ただ、今は危険なものとなっているため、製造、輸出ともに禁止されているため、作られていることはありません。

PCBは慢性的な摂取により、体内に徐々に蓄積し、吹き出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振などさまざまな症状があります。

過去にPCBが大きく問題になった事件があったので、それを機に考えられるようになりました。

PCB廃棄物を保管する事業者に課せられる規制

PCB廃棄物のおそれがある廃電気機器、廃油、汚染物質については、PCB含有の有無、調査、分析をして、もし、PCB廃棄物なら、届出、適正保管、定められた期限までに処理、処分をしなければいけません。これを守らない場合は、罰金など厳しく取り締まっています。

保管、処分の状況、届出

PCB廃棄物を保管している事業者は毎年、そのPCB廃棄物の保管および処分の状況に関して都道府県知事に届出なければいけません。

もし、それを破ってしまった場合、嘘の届出をした場合は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金になります。このように、厳しい処分が決まっているため、きちんと届け出るようにしましょう。もちろん、嘘をつくのも絶対にいけません。危険なものだからこそ、しっかりと法律で決められています。

保管よよび処分の届出

事業者は令和9年3月31日までにPCB廃棄物を自ら処分するか、処分を他人に委託しなければいけません。この改善命令に違反すると、3年以下の懲役、若しくは1000万円以下の罰金、またはこれを併科されます。

このように、決められた期限以内にしっかりと処分をしなければ、罰金等処罰されるので、きちんと処分をして届出を出すようにしてください。

譲渡しおよび譲受けの制限

何人もPCB廃棄物を譲り渡し、または譲り受けてはいけません。これに違反すると、3年以下の懲役もしくは、1000万円以下の罰金となります。このように、誰かに勝手に譲るのも絶対にいけないので、自分で処分をするようにしてください。

PCB廃棄物は何に使われていた?

電気機器用

主に電気機器用の絶縁油、各種工場における加熱および、冷却用の熱媒体並びに感圧複写紙などに利用されてきました。現在は新たな製造は禁止されているので、新しいものに使われていることは、ありません。

トランス、コンデンサー、安定器

トランスは工場やビルなどで送られてきた電気の電圧を変える装置であり、コンデンサーは一時的に蓄える、電圧を調整するなどの役割を果たす装置でこれも中小零細事業者を含む業種で使われています。

昭和47円8月以前に製造された業用、施設用の蛍光灯などに用いられた安定期にはPCBが入っているものもあるので、古いものには注意が必要です。ただ、家庭用の蛍光灯には使われていないので、家庭の中にはないので安心してくださいね。

PCB廃棄物が現在注目されている理由

紛失しているものが発見された

このPCB廃棄物はかなり昔に問題になっていたので、現在は関係がないと思っている人も多いです。ですが、1990年ごろからようやくPCBの処理技術が開発され、一方で厳重に保管状況を管理しているはずだったPCB廃棄物が、その後追跡調査で、紛失しているものが多いことが判明され、再び問題になっています。

PCB廃棄物処理に関する新しい法律

そこで、2001年7月に施行されたのが、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」です。さらに2004年にはPCB廃棄物処理事業を行う国の全額出資会社、中間貯蔵、環境安全事業株式会社も設立され、PCB廃棄物の本格的な処理が動き出しました。2000年に入ってからようやくしっかりとした処理や処分などが安全に行えるようになりました。

そして、現在では同法でPCB廃棄物の持ち主は、2027年3月31日までに適切に処理をしなければならないと定められています。まだ、PCB廃棄物を保管している業者はきちんと処理をしなければいけません。ただ、一般家庭では、PCB廃棄物が出回っていることはないので、生活している分には問題がありません。

もし、気づかずにPCB廃棄物を持っていたり、使っていたら?

もしかしたら、知らずに持っていた、使っていたという業者があるかもしれません。かなり昔に問題があったものなので、意外と知らない人も多いです。

古い建物を解体する際にPCBが含まれていそうな古い電気機器類を見つけることもあるかもしれませんね。自治体に届出を出しているもの以外はすべて何らかの調査や分析が必要となります。メーカー名、製造年、型番だけでは判断が出来ないので、すぐに専門業者に相談をすることをおすめします。

このように、PCB廃棄物について紹介しました。今はしっかりと法律で取り締まっているので、一般の家庭では聞くことがないかもしれません。ただ、事業をしている人はで古いビルなどに使われている可能性がありますし、知らない間に使っている可能性もあります。

2000年以降、厳しく取り締まる法律などができたので、もし、PCB廃棄物を持っている人はすぐにでも処分をすることをおすすめします。もちろん、届出を出していないならすぐに届出を出すようにしてください。PCB廃棄物は聞いたことがない人も多いかもしれませんが、危険なものなので、名前だけでも覚えておいてくださいね。

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